1 日時

令和元年10月3日木曜日 午後6時00分から午後7時25分

2 場所

防災センター 4階 303会議室

3 出席者

委員   田揚江里、佐藤江美、伊藤栄司、小林年春、上野友子、佐藤幸代、立道彩子

事務局  西田館長、細川副主幹、平澤主事

4 欠席者

 田淵晶子

5 議題

(1)平成30年度 事業報告書について
(2)こまえ 図書館だよりについて
(3)市民ボランティアと利用支援サービスについて

(4)その他

6 提出資料

(1)平成30年度 事業報告書
(2)こまえ 図書館だより  

7 会議内容

会議の結果
 

(事務局) 

 これより、平成31年度第3回図書館協議会を開催する。議事進行は田揚委員長、小林副委員長にお願いいたしたい。

(委員長) 

 次第にしたがって、議題1について、事務局より説明をお願いする。

(事務局)

 議題1 平成30年度事業報告書について説明をする。まず概要について。1.子どもと子ども読書活動を推進するサービスでは子どもおはなし会、親子で楽しむおはなし会、土曜日おはなし会を定期的に実施。その他、科学あそび教室や子ども図書館員等、子どもの読書週間や夏休みに併せて様々なイベントを開催した。2.ブックスタート事業では、3・4か月児健診会場で、司書と説明員が絵本の読み聞かせを行い、絵本1冊と絵本リストなどを贈呈した。そのほか、小学校就学予定の幼児に本を1冊送るセカンドブック事業、中学校就学予定の児童に本を1冊送るサードブック事業を実施した。なお、平成30年度には、子どもが積極的に読書活動を行う意欲を高める活動について優れた実践を行っていることが認められ、文部科学大臣賞を受賞した。3.成人へのサービスとしては、年間を通して季節や時事に即した企画や展示、発行物の作成を実施した。4.利用支援サービスおよび5.図書館で支える人たちについては諮問内容となるため、議題3の中で別途説明を行う。

 次に利用者の推移について。中央図書館の登録者数は、平成28年度2万2,407人、29年度1万8,479人、30年度1万8,887人となっている。平成28年度から29年度にかけて3千928人と大幅に減少しているのは、平成30年3月に狛江市立図書館運営規則の改正に伴い、貸出登録の考え方を整理し、貸出登録後または更新手続きを行った日から5年を経過して更新を行っていない方について登録を除籍したことに因るものである。

 個人貸出利用者数については、平成28年度が9万499人、29年度が9万1,098人、30年度が9万4,209人と増加傾向にある。平成30年度の大幅増加の理由は、西河原公民館図書室が平成30年5月10日から7月31日まで改修工事に伴う休室していたため、同図書室の利用者が4万258人減少したが、中央図書館利用者は3千111人増えており、西河原図書室の利用者が中央図書館を利用したものと分析している。

 また、個人貸出数については、平成28年度が31万6,414冊、29年度が32万3,596冊、30年度が33万9,000冊となっており少しずつ増加している。

(委員長)

 議題1について、事務局の説明に対し質問はあるか。

(委員長)

 平成28年度から30年度にかけて個人貸出数が増加しているように読み取れるがその要因はどのように捉えているか。

(事務局)

 この事業報告書上からは読み取れないが、一般来館者の利用は横ばいであるが児童の利用が10%以上の伸びを示していることが影響している。また、子ども向けおはなし会の参加者数が増えてきていることに併せ、子どもへの読み聞かせに対する世の中の関心が高まってきていることが関係しているのではないか。

(委員)

 中央図書館のみで捉えると増加しているようであるが、狛江市全体としての実績が平成27年度をピークとし、平成30年度と比較すると1,700冊ほど減少しているように読み取れるが。

(事務局)

 利用者数は減少しているが、貸出冊数については増加している。一人当たりの貸出冊数が増えている状況である。

(委員)

 ブックスタート、セカンドブック、サードブックの贈呈率はどの程度になっているのか。また、贈呈率をあげるための改善策として何か対策を行っているのか。

(事務局)

 ブックスタートは、3・4か月健診の会場で贈呈を行っていることに併せ、健診未受診の方については保護者宛に勧奨通知を発送し、後日直接図書館に来館していただき手渡しを行っているためほぼ100%近い贈呈率である。概数になってしまうが、セカンドブックが75%、サードブックは70%程度の贈呈率である。セカンドブック、サードブックについては、図書館主催の贈呈会に参加してもらうほか、贈呈会の前後にも贈呈を行い、最終的には6月末までに申請を終えた方に対して贈呈を行っている。いずれの方法にせよ図書館に出向く必要が生じてしまうことが出足を鈍らせているものと思われる。

(委員)

 セカンドブック・サードブックに関しては、3年ほど前から学校での贈呈について協力を行う旨を提案しているはずであるが。

(事務局)

 過去に学校に協力をお願いしているが、年度はじめの繁忙時期と重複し、学校にとって大きな負担となっていると聞いている。

(委員)

 学校で、セカンドブック・サードブックについての案内チラシの贈呈を行い、希望図書について各自が記入したものを回収することはさして負担ではなく、協力可能である旨はこの会議の場でも伝えてきているが未だ実現に至っていない。今年度での学校の協力はすでに就学時健診の日程も迫ってきているため難しいとは思われるが、学校との協力体制を敷くことについては引き続き検討をお願いしたい。ただし学校の事務方の負担は極力少ない形での協力となる。

(委員長)

 過去に学校に協力をお願いされたときは、学校の読書指導と行政の行うセカンドブックが上手く噛み合っていたが、それ以外の事務的な一覧リスト作成までを担任や学校司書に任せられたことが大きな負担であったと思われる。

(委員)

 就学時健診のときに、サンプル本を持って来てもらい、その場で保護者の方に申込みをしてもらって、入学後に学校で手渡しをする、という流れを提示した。各学校長とのコンセンサスもすでにとっている。サードブックに関しても6年生のうちに実施することで贈呈率はかなり高くなるのではないかと見込む。

(委員長)

 セカンドブックに関しては学校図書室の蔵書としてあったものが殆どであるため、学校内での展示が可能であると思われる。ぜひ、100%の贈呈率を目指していただきたい。

(委員)

 サードブックに関しては、学校での読書資料として学校文庫に揃えてもらえるとみんなで共有できるのではないか。

(委員長)

 図書館だけで考えていく内容を逸脱しているが、個人に贈呈するのではなく、各学校の各学級に1セット贈呈するようにしてもらうことで、クラスの全員が全ての本を読む機会を得ることが可能になるという考え方ではどうか。

(委員)

 セカンドブックについては低学年の児童が読むのに適したものであり、このまま固定でも良いかと思われるが、サードブックに関しては世の中の動きを見つつ、何年かに一度見直しのうえでリニューアルを図る必要があると思われる。

(委員長)

 本のタイトルの選択に関しては、図書館の司書職がきちんと責任をもって一定の基準の中で選書を行っているのか。

(委員)

 セカンドブック・サードブックの事業としての効果検証を行った方が良いのではないか。本を贈呈することで、子どもたちに何か変化が起こったのか、または図書館に通う習慣に繋がっていったのかなど、どういう効果が上げられているのかを知りたい。ブックスタートについては、図書館の存在を知ってもらうと言う点で意味の有る事業と捉えられるが。

 この事業に多額の費用を投じるのであれば、他に何かを購入する方が良いのではないかと言う意見も過去に出ている。継続する意義がどこにあるのか、その根拠は何であるのかを挙げてもらいたい。

(委員長)

 以前から一人ひとりに渡すという手法については議論の対象となってきている。ブックスタートの場合は、学校教育という枠組の中にまだいない状態。それぞれの家庭の状況・判断に委ねられるので、読み聞かせの大切さというものを、図書館から発信しつつ本を手渡しすることに意味がある。一方で、セカンドブック・サードブックについては、学校の読書指導の一環に組み込む方がより効果があるのではないか。一人ひとりに渡すよりも1セットずつ各教室に贈呈し1年間を通じて全員が全部の本を読破することを目標に据え、担任や学校司書が指導を行うといった方法も考えられる。

(事務局)

 贈呈会等で直接手渡しを行っている理由の一つとして、図書館に足を運んでもらうことで図書館を身近に感じてもらい、その結果としての利用率を上げるという効果も狙っている。

(委員長)

 子どもたちの図書館の利用率を上げるということであれば、和泉小で取り組んでいるような、図書館の見学を行い、その際に図書利用カードを発行することを学校教育の活動に組み込んで行くなど他にも方法がある。現状は、図書の受取については家庭任せになっており、子どもの意思が反映されぬままセカンドブックを受け取れない子が25%存在していると言うのが現状である。

(委員)

 本を読まない子に本を読ませたいが、興味の無い子は贈呈された本が家の中でそのまま放置されている。学校の先生方からも贈呈された本を学校・学級単位で読む機会を与えてもらえるような体制を作ってもらえると良いのではないか。

(委員)

 団体での図書館のカード作成について取り組んでもらっている。小学2年生、中学2年生に対して図書館側からのアナウンスを積極的に発信してもらいたい。

(委員)

 図書館の存在は子どもたちであっても周知のことであると思われる。図書館を知ってもらう取り組みではなく、むしろ本を好きになってくれる子を増やす取り組みの方が肝要。個人に本を配ることよりも、学校の蔵書として本を寄贈してもらって学校として取り組むほうがより効果的であると感じている。

(委員)

 図書館で仕事をしてきた立場としては、まず図書館に足を運んでもらいたいと発想が基本である。何かをするたびに、図書館に来ることで用が足りるということを学んでもらうことが重要。図書館側から、図書館に来てもらうためのアプローチを怠らずに行うことが大切である。読書の習慣そのものが学校を中心に偏り過ぎていると、学校を卒業した後は本を読む習慣や本を読む場そのものがそこで終わってしまう。

(委員)

 昨年も話題になっていたが、20代、30代の世代を取り込むためにはもっとホームページの活用をしてもらいたい。

(事務局)

 来年度、図書館システムの入替を予定しているのでそのタイミングで対応を考えていきたい。

(委員)

 来年度までホームページの改正は行わないということなのか。

(事務局)

 現時点ではどのシステムが新しく選定されていくかも未定であるため、その運用方法を決める過程でホームページについても検討して行きたい事項であると捉えている。

(委員)

 ホームページのベストリーダーが2014年の情報のまま更新されていない。こういった部分の修正は比較的取り組んでいただきやすいと思われる。

(委員)

 現行のホームページの中で、出来るところから取り組んで、すぐに直せる部分は直していただきたい。

(委員長)

 今のシステムの中で、対応可能な部分については、すみやかに改善をしてもらいたい。

(事務局)

 基本コンテンツについては新しいものを載せていくべきである。改善をすすめていく。

(委員長)

 では、議題2について、事務局より説明をお願いする。

(事務局)

 議題2 こまえ図書館だよりについて説明をする。図書館だよりは、概ね8月、12月、3月に作成し、貸出室で配布するとともにホームページにアップしている。今回の内容は、10月20日(日)に実施する大人向けのおはなし会のお知らせ、また今回の諮問の内容と関連する高齢者施設への配本、高齢者向け紙芝居の紹介のほか、高齢者の脳活(認知症予防)を目的に敬老の日の川柳募集の記事を掲載した。敬老の日部門に12句、健康部門に14句、図書館部門に12句の計38句の応募があった。8月28日から9月16日まで関連展示を行った。

(委員長)

 議題2について、事務局の説明に対し質問はあるか。

(委員)

 図書館だよりの配布場所はどこか。

(事務局)

 図書館内、公民館や地域センター図書室、学校図書館へ配布をしている。

(委員)

 行事等のチラシは作成しているのか。「科学あそび」等は非常に興味深い内容であるが、どのくらいの周知を行えているのか。

(事務局)

 夏休みにかかる子ども向けの事業に関しては広報やホームページで周知を行うほか、図書館内にポスター掲出やチラシを置いている。募集の期間が定められており、比較的早い段階で応募数が定員に達してしまっている。

(委員長)

 学校向けにもポスターをもらえると、日常図書館に行かない子どもたちに対して、図書館で行っている取り組みについて一定のアナウンスの効果があるがあると考える。

(委員)

 定員を増やす工夫があったら良い。多くの子どもが体験を通して、図書館に来るきっかけとなる。

(事務局)

 定員増については担当者と検討を進めてみたい。

(委員)

 昨年行った「ぬいぐるみおはなし会」は、ポスターがカラー版で非常に人目を引き、子どもの夢が広がるように訴えかける優れたものであった。ビブリオバトルのポスターもカラー版で良かった。ある程度大きなポスターは周知効果が高い。

(委員長)

 ぜひ、多くの子どもたちが参加できる形態を検討してもらいたい。

(委員長)

 では、議題3について、事務局より説明をお願いする。

(事務局)

 議題3 市民ボランティアと利用支援サービスについては今回の諮問内容となっている。ボランティアの活動については、前回希望のあった委員の方に見学をしていただいた。

(委員)

 軽微な図書修理とクリッピングの作業現場を見学した。作業フォーマットがきちんと整っており、作業に当たる方はどちらも職人技と読んでも過言ではないレベルであった。この作業を全て、図書館の職員が担っていたとしたら非常に大きな負担であることは一目瞭然である。作業に携わっていただいている方々は高齢者の方が多く見受けられたので、後継者や人材育成は急務であると思われる。

(委員長)

 後継者に引き継いでいくことは非常に大切である。

(委員)

 児童書の損傷が大きく件数も多い。狛江市は人口が増えているのにもかかわらず図書購入費が横ばいのまま、図書費を増加してもらいたい。児童書に関しては新しい物と適宜入替をお願いしたいところである。

(事務局)

 予算については毎年図書費の増加の要望をあげている。児童書に関しては貸出数も伸びていることもあり傷みが進んでいるのであろう。

(委員長)

 利用支援サービスについてはいかがか。

(事務局)

 事業報告書の4.利用支援サービス事業については、点字資料、録音資料(カセットテープ、DAISY)、大活字本等の貸出や、来館が困難な方への資料の配達、読書に困難を感じる方向けの対面朗読サービスなどを実施している。DAISY作成ボランティアの新規募集のため、前年度に引き続き講習会を実施した。高齢者向けサービスとして、30年度は市内4箇所の高齢者施設に合計600冊の大活字本等の配本をおこなっている。また、5.図書館活動を支える人たち、として図書修理、館内整理、資料整理を行っているボランティア団体の紹介している。平成30年度の実績として、図書修理を1,392冊、館内整理を182日、資料整理を74日に亘り行っていただいた。協議会委員の佐藤幸代委員には図書修理やクリッピングの作業現場を実際に見学してもらっている。

(委員長)

 利用支援サービスについて何か質問はあるか。

 UD字体(ユニバーサルデザイン)の子どもの本が増えてきていると聞いているが。

(事務局)

 図書の購入に関して字体を特別意識していることは現状では無い。知的障害や発達障害のかたでも読みやすい編集で作られているLLブックは何冊か購入している。また、広報の紙面や市のホームページではユニバーサルデザインの字体を導入している。

(委員)

 来年度から学校で使用する新しい教科書はすでにUD字体が導入されている。

(委員)

 読書バリアフリー法が制定された。この中で地方公共団体への努力義務が課されるのとの記載があったが、具体的に市では何かの動きはあるのか。

(事務局)

 努力義務については、各自治体で何が出来るかを検討したうえでの実施となるため、具体的な動きは今のところ無い。

(委員長)

 他に、何か質問が無ければ、議題4について事務局より説明をお願いする。

(事務局)

 今後の平成31年度の協議会の会議日程についてお知らせする。次回の第4回は12月5日(木)、第5回は2月6日(木)でいずれも午後6時からの開催を予定。開催前には事務局より通知を別途送付する。

 (委員長)

 議題4について、事務局からの説明に対し質問はあるか。

 無ければ平成31年度第3回図書館協議会を閉会する。次回は事務局より説明があったとおり12月5日(木)の開催。