日時
令和7年3月17日月曜日午後2時から2時45分まで
場所
防災センター301会議室
出席者
議長:谷川章雄
副議長:塩澤寛樹
委員:寺田良喜、長沢利明、山崎久登
事務局:金築宏美、清水聡(社会教育課)
欠席者
なし
議題
- 狛江市文化財保護条例の改正について
- 令和6年度文化財関連事業等の報告について
その他
提出資料
- 狛江市文化財保護条例
- 狛江市文化財保護条例施行規則
- 狛江市文化財指定及び登録基準
- 令和6年度文化財関連事業等の報告
会議の結果
議題1.狛江市文化財保護条例の改正について
- 事務局から、狛江市文化財保護条例の改正については、前回までの会議で出された意見を反映し、令和7年4月1日付けで施行となる予定である旨を報告しました。条文の主な変更点については、下記のとおりです。
- 登録制度の導入に当たっては、これまでの議論を踏まえ、指定と比較し手続きを簡素化することとし、文化財保護審議会の承認を得ることで登録及び抹消することができるとしています(第28条)。
- 文化財の種別については、文化財保護法や東京都文化財保護条例と整合した種別とし(第4条第1項・第12条第1項)、現在の条例で規定されている種別については、新条例で規定する種別へ読み替えることを規定しています(付則2)。
- 指定文化財に対する補助制度に準ずるかたちで登録文化財に対する奨励金制度を設けた(第15条)ほか、教育委員会が行う展示等へ文化財を提供したり、教育委員会の求めに応じて公開を行った場合の謝礼金制度(第22条第5項)を設けています。
- 文化財専門委員の会議については、文化財保護法第190条の規定に基づく地方文化財保護審議会としての位置付けに改め、狛江市文化財保護審議会としています(第25条から第30条)。なお、特殊で限定された内容を審議するため臨時委員を置くことができる規定を設けるべきとの意見を踏まえ、審議会に臨時委員を置くことができる旨の規定を設けています(第25条)。
- 狛江市文化財保護条例の全部改正に伴い、狛江市文化財保護条例施行規則についても、全部改正としています。主な改正箇所は、登録文化財について(第9条)、登録文化財に対する奨励金の交付について(第12条)、公開に当たっての謝礼金の支給について(第18条)、文化財保護審議会について(第23条から第28条)等をそれぞれ規定し、またその他内容及び文言等の修正を行い、様式を整理しています。
- また、文化財保護条例の全部改正に伴い、狛江市文化財指定及び登録基準を設けました。
- 以上、狛江市文化財保護条例、狛江市文化財保護条例施行規則、狛江市文化財指定及び登録基準については、関連する要綱とともに、令和7年4月1日に施行となる予定です。
- 委員から、文化財保護審議会に分科会を置くことが、条例ではなく施行規則に規定されている理由と、分科会を構成する臨時委員の位置付けについて質問が出され、事務局からは、文化財保護審議会の運用については施行規則で規定していること、臨時委員については、特殊で限定された内容を審議する際に委嘱し、分科会を構成するほか、指定理由の審議等にも係わっていただくことを想定していることを説明しました。
- 委員から、狛江市文化財指定及び登録基準に関して、文化財の種別がかなり細かく分類されているとの意見が出され、また、別の委員からは、今後、様々な分類のものが指定又は登録の候補となり得ると考えられることから、文化財の種別は、幅広く想定しておくべきとの意見が出されました。事務局からは、文化財の指定及び登録の基準については、東京都文化財指定基準に準拠した構成としており、文化財の種別については、市の指定又は登録の候補となり得る分類を網羅したかたちとしていることを説明しました。
議題2.令和6年度文化財関連事業等の報告について
- 事務局から、令和6年度に実施した文化財関連事業について、下記のとおり報告しました。
- 令和6年7月から8月の夏休みの期間に、小学3年生から6年生を対象とした夏休み子ども文化財教室「勾玉を作ろう」を延べ5回実施し、古代のアクセサーである勾玉について学び、軟らかい石を削って勾玉を作る体験をしてもらいました。
- 東京文化財ウィーク2024の関連事業として、「玉川碑再建100周年記念展示会」関連事業を実施しました。これは、大正13年(1924)に渋沢栄一を中心とした人々の手で玉川碑が再建されてから、令和6年に100周年を迎えたことを記念し、再建に尽力した渋沢や狛江の人たちの功績を振り返る展示会と講演会、玉川碑の現地説明会を実施したものです。「玉川碑再建100周年記念展示会」は10月31日(木)から11月3日(日)の期間に伊豆美神社参集殿で実施しました。また10月27日(日)には公益財団法人渋沢栄一記念財団渋沢史料館学芸員の清水裕介さんを講師に迎え、講演会「渋沢栄一の「温故知新」-玉川碑再建へ寄せた想い-」を、11月3日(日)には、東京都指定旧跡玉川碑跡にて現地解説会を行いました。
- また、東京文化財ウィーク関連事業として、文化財関連展示と文化財めぐりを実施しました。文化財関連展示は、「和泉式土器と古墳時代中期の狛江」と題し、都指定文化財である和泉式土器と関連資料の展示を通して、古墳時代中期の狛江の様子を紹介しました。また文化財めぐりは、「狛江の歴史を歩いて学ぼう-多摩川沿いの文化財をめぐる-」と題して11月30日(土)に実施し、玉川碑再建から100年、多摩川堤防決壊から50年の節目に、多摩川沿いに残る史跡や文化財をめぐりました。
- 小学校との連携事業としては、3年生を対象とした体験学習と、6年生を対象とした出前講座を実施しました。3年生を対象とした体験学習は、副読本の内容に沿って、狛江市立古民家園(むいから民家園)の建物の様子を観察したり、昔の道具を観察したり使ってみるなど、昔の暮らしを体験する内容です。小学6年生を対象とした出前講座は、歴史の授業の進捗に合わせて、市内の遺跡や古墳を紹介するとともに、実際に市内の遺跡等から出土した土器や石器に触れて観察してもらう内容です。
- 事務局から、1月26日の第71回文化財防火デーの実施に合わせ、市内に所在する文化財の管理を徹底し、防火防犯体制の強化を図るために、泉龍寺と伊豆美神社にて、文化財を対象とした自衛消防訓練と消防施設の点検等を行ったことを報告しました。
- 事務局から、多摩地域の各自治体で刊行された郷土誌・文化財関係の出版物等を一堂に集めて展示頒布する第37回多摩郷土誌フェアに参加し、合計で40冊の刊行物を頒布したことを報告しました。
- 委員から、玉川碑の展示会の実施にあたって、市民の協力は得られたのかとの質問があり、事務局からは、展示に当たっては、準備段階から市民の方々に協力していただき、当日の受付や展示解説についても担当していただいた旨を説明しました。
- 委員から、展示会や講演会を実施する際、アンケートを配布して、参加者のニーズを把握し、今後の事業に活かすべきとの意見が出されました。
- 委員から、多摩郷土誌フェアでの刊行物の頒布状況について質問があり、事務局からは、特定の人がまとめ買いをするのではなく、多くの人に頒布することができた旨を説明しました。また、委員からは、文化財ガイドなど、手に取りやすい頒布価格の刊行物を入口として、多くの人に狛江の歴史に興味を持ってもらうことができるとの意見が出されました。
その他
- 委員から、近年災害が頻発していることから、市のハザードマップに文化財マップを重ねて危険な場所を確認するなど、文化財への被害を防ぐための取組みが必要であるとの意見が出されました。
- 次回の会議の開催日程については、後日改めて事務局にて調整することとなりました。
- 議長、閉会を宣言。
文化財専門委員名簿
議長
谷川章雄
副議長
塩澤寛樹
委員
寺田良喜、長沢利明、山崎久登
公募市民委員がいない理由
狛江市文化財の指定及び解除等重要事項を審議するために専門的な知識が要求されるため。