2024年12月
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令和元年5月24日(金曜日)午前10時から11時まで
市役所304会議室
議長:冨永春芳
副議長:鶴壽子
委員:井上孝、谷川章雄
事務局:白鳥幹明、宇佐美哲也、松下祐三(社会教育課)
小町守、塩澤寛樹
1.議長・副議長の選出について
2.平成31年度事業計画について
3.狛江市文化財の指定について
4.歴史公園の整備等について
5.その他
1.平成31年度文化財保護事業計画(案)
2.平成30年度埋蔵文化財発掘調査件数及び発掘届出等文書処理件数
3.平成30年度狛江市立古民家園入園者数・事業一覧
4.狛江市文化財の指定について(諮問)
5.猪方小川塚古墳保存整備工事平成30年度進捗状況、平成31年度工程
事務局で開会を宣言。
社会教育課長から挨拶。
議題1の審議に入る。
議長については冨永委員が、副議長は鶴委員が、全会一致で選出されました。
事務局から、平成31年度の事業計画について、平成30年度の事業実施結果の報告を交えながら説明しました。
文化財の調査については、各種文化財調査を随時行うとともに、文化財総合調査の調査報告書の作成・発行に向けて取りまとめの作業を進めていく予定です。
文化財の管理・保存については、歴史公園(古墳公園)の開園に向けて猪方小川塚古墳の保存整備工事を進めるとともに、猪方小川塚古墳公園及び亀塚古墳公園の開園に向けて必要な調整等を進めます。その他に、兜塚古墳、亀塚古墳、土屋塚古墳、教育発祥の地など市が管理する文化財の保護管理や、文化財保存事業費補助金の交付を行う予定です。また、寄贈資料の受け入れは随時行い、適切な管理・保存を進めつつ、今後の活用に向けた検討を行います。
文化財の活用については、東京文化財ウイーク2019に参加し、期間内に文化財めぐりや文化財関連講座等を実施する予定です。文化財展は11月半ばから下旬にかけて公民館2階展示スペースで開催する予定です。文化財説明板は、設置場所等は未定ですが、本年度も設置を予定しています。学校との連携は、小学6年生を対象とした出前授業を4月から5月までの間に実施し、古民家園では小学3年生の体験学習を受け入れます。文化財防火デーは、基本的に消防署が主体となる事業ですが、周知などの面で協力していきます。
埋蔵文化財の保護については、例年どおりです。平成30年度の埋蔵文化財に関わる事務処理状況としては、1,058件の照会があり、依然として照会件数は多い傾向にあります。発掘の届出・通知がなされたのは107件で、うち試掘調査は9件となり、うち3件では遺構・遺物が確認され、本調査を実施しました。
平成30年度に実施した本調査については、宿屋敷西遺跡では、古墳時代中期の住居跡2軒の他、これまで未発見であった古墳跡1基などが調査され、古墳の周溝からは鉄鐸を含めた鉄製品、砥石がセットで出土したこと、鉄鐸の出土は東日本では事例が限られていること、飯田塚古墳では、古墳の周溝が調査され、本来の古墳の規模が明らかになったこと、寺前東遺跡では、江戸時代初期の旗本石谷氏の陣屋を囲うと考えられる大規模な堀の一部が検出されたこと等を説明しました。残りの1件は、猪方小川塚古墳の擁壁整備に伴う事前調査で、墳丘の断面調査を実施しました。
古民家園の管理・運営については、古民家の維持管理、年中行事の展示や体験教室等の事業を実施し、事業内容等については運営評議会を開催して検証・検討していきます。また、平成31年度には、旧荒井家住宅主屋の北側の土壁と、かまどの修繕を予定しています。なお、昨年度の入園者数は、20,012人で平成29年度と比べて減少していますが、夏季や冬季には酷暑や厳寒など気候的な影響が大きかったものと考えられます。
以上の説明の後、平成31年度事業計画については全会一致で了承されました。
事務局から、5月15日に開催された教育委員会第5回定例会において、寛文2年銘の供養塔2基の文化財指定について、文化財専門委員の会議への諮問が決定されたことを報告しました。今後は、指定にあたっての課題点を整理し、現地調査等を進めたうえで、答申に向けて審議を進めていただくことになります。あわせて、年度内あるいは来年度の早い時点で答申をいただくようなスケジュールを考えていることを説明しました。
事務局から、現在、市が進めている歴史公園の整備について概略を説明しました。猪方小川塚古墳については、現在進めている石室・墳丘の保存整備工事が終了次第、公園整備工事に移り、令和2年4月の開園を目指しています。また、亀塚古墳については、公園整備工事予定地において試掘調査を行ったところ、古墳を取り巻く周溝が遺存していることが確認されたため、古墳の形態や規模が分かるように、周溝の位置・規模を反映した植栽を施すなど、整備案を検討しています。今年度、下半期に公園整備工事のうえ、こちらも令和2年4月の開園を予定しています。
現在の予定では、小川塚古墳、亀塚古墳に引き続き、令和2年度には土屋塚古墳公園の整備を進めていく予定であることを説明しました。
また、猪方小川塚古墳の保存整備工事について、平成30年度の工事の進捗状況、31年度の工事工程について説明しました。公園の境界確定、境界の擁壁・フェンス設置工事が完了した平成30年11月から保存整備工事に着手し、平成30年度には、石室覆屋の基礎杭打ちのための仮設
台の設置工事、覆屋の基礎杭打ち、基礎工事までが終了しました。現在、石室上部に仮設の覆屋を設置し、そのなかで石室石材の保存処理を進めており、6月半ばには、覆屋の建て方工事、古墳墳丘の復元工事を進め、8月末までに保存整備を終了する予定であることを報告しました。
委員からは、泥岩で構築された横穴式石室を公開するかたちで整備する事例は他にほとんどないことから、貴重な整備事例になるといった意見や、住宅地における史跡整備の事例としても貴重な事例となることから、慎重に進めて欲しいといった意見が出されました。
事務局から、6月1日から江戸東京博物館で開催される『発掘された日本列島2019』の地域展「道灌がみた南武蔵」展に、田中・寺前遺跡から出土した中世の遺物を出展することを報告しました。
議長、閉会を宣言。
議長
冨永春芳
副議長
鶴壽子
委員
井上孝、小町守、塩澤寛樹、谷川章雄
《公募市民委員がいない理由》
文化財の指定及び指定解除等重要事項を審議するために専門的な知識が要求されるため。