令和4年度 第8回狛江市立公民館運営審議会会議録

 

1 日 時   令和5年2月14日(火)午後6時30分~8時

 

2 場 所   中央公民館 第4会議室

 

3 出席者     斎藤謙一委員長、都築完副委員長、長岡智寿子委員、長谷川まゆみ委員、

        内海貴美委員、中野潔委員、深井秀造委員、細谷明美委員

        事務局(浅井信治公民館長、刈田美江子副主幹(兼)事業係長、髙橋公平主事)

 

4 欠席者   小松香織委員

 

5 傍聴者   0名

 

6 配布資料  答申書(最終案)~新しい生活様式を踏まえた狛江市立公民館事業のあり方について~

       

7 会議の結果

(1)報告事項

 ・第59回東京都公民館研究大会について

事務局:令和5年2月4日に、第59回東京都公民館研究大会が開催された。審議会委員からは、斎藤委員長、内海委員、細谷委員の計3名にご出席いただいた。コロナ禍ということもあり、基調講演「コロナ禍を乗り越え進化する公民館」は映像上映で行い、課題別集会は小平市、西東京市、国分寺市の各3市にまたがって開催された。職員部会が事務局を担う第三課題別集会では、助言者である浜松市富塚協働センター職員の野嶋京登氏から講演いただいた。野嶋氏の「職員が楽しく笑顔で事業に取り組めば、それが参加者にも伝わり、ワクワクやドキドキが提供できる」という説明が印象的であった。公民館職員としても、楽しんで取り組む意識、姿勢で日々の業務に取り組みたいと感じた。

(2)審議事項

・「新しい生活様式を踏まえた狛江私立公民館事業のあり方について答申書(最終案)」について

事務局より資料に基づき説明

委員長:事務局から説明があったとおり、答申書(最終案)の全体に関することや、諮問事項について約2年間検討してみての意見や感想があれば、フリートーク形式で構わないので伺いたい。

委 員:今回の諮問に関する議論を通じて、子どもや若者を公民館に呼びたいと改めて強く感じた。改修後の市民センターは、ティーンズルームやサウンドスタジオ等の部屋が新しく設置されることに伴い、現役世代の方が足を運ぶ機会も増えると思うので、楽しみである。また、全体を通しては、本審議会の委員にならなければ、公民館の目的や役割、機能について知ることはできなかった。公民館に関する様々なことを学ぶことができて良かったと思う。

委 員:若者に、「公民館」という施設があることをとにかく知ってもらうことが重要である。私が子どもの頃、図書館をよく利用していたのと同じように、もっと若者が集まるような場所・空間を提供して、この場に馴染んでもらうことが大切である。市民センターの改修で、若者向けの施設が増えることとなるが、どこまで現役世代を集められるかの検討・準備が必要であると感じた。

委 員:小さい頃から私も図書館をよく利用していたので、公共施設に通うことに抵抗はなく、「楽しい場所」というイメージを持って、そのまま大人になった。市民センター改修後は、オープンテラスが設置される予定である。そういった場所を子ども・若者に利用していただき、公民館が「楽しい場所」と少しでも思ってもらえることを期待する。また、市民センターが改修されるまでの周知やPRも大切である。

委員長:公民館事業であった青年教室のスタッフとして携わったことがあるが、昔は、公民館職員自身も楽しんで事業の企画、運営をしていたと思う。たとえば、利き酒、チンドン屋、競馬等といった、現在ではハードルが高く、実現がなかなか難しい事業を実施したこともあった。しかしながら、インターネットや携帯電話の普及に伴い、「つどう」必要がなくなってからは、参加者は徐々に減少し、公民館としての活力も衰退していったように感じる。また、市の公共施設だからこそ「安心して楽しめる」という部分も公民館の強みだと思う。利用者の大学生に話を聞いたみたところ、安全な空間は欲しいが、束縛はされたくないと答えていた。つまり、若者は教室やサークルといったグループには属したくないが、他者がいる空間で、絵を描いたり、新聞を読んだりしていたいという潜在的な願望を持っているということである。公民館の事業で、そういったニーズをどうやって満たすかが今後の課題である。

委 員:本審議会の公募委員を約10年間務めたが、若者をどうやって公民館に呼び込むかについては、公民館の永遠のテーマであると言える。過去に、駅周辺で若い方々に向けて、約3か月間「公民館を知っているか」という街頭アンケートを実施したところ、9割以上の方が「知らない」と回答した。この経験から、若い世代に公民館を知ってもらう難しさを身に染みて感じたところである。小学生がゲームやスマートフォンを1日でやる時間は、小学生が約6時間、中学生が約4時間30分といった統計結果がある。こういった時代に、子どもたちを公民館に引き寄せるのは難しいことが分かる。全体的な感想としては、立派な答申が出来たと思う。テーマが非常に大きく、よくここまでまとまったなと感じる。また、本審議会で昨年度から始まった事業評価については、導入して非常に良かったと思う。事業評価については、他市でもなかなか苦戦していると聞いている。せっかく良い事業評価が導入できたのだから、本答申にも事業評価について、もう少し強調して記載して良いと思う。ICTが広がれば広がるほど、公民館を通じて学ぼうという人は少なくなる。そして人間的なつながりは減っていき、情報格差が拡大していくと、若者はさらに来なくなってしまう。この免れられない事実と向き合った事業の展開が求められ、何もしないと公民館と市民との乖離がさらに広がってしまう。こういった内容について「5 さいごに」には加えてほしい。

委員長:確かに、5ページに「ICTを活用した事業を展開することを期待する」とあるが、ICTについては、もう少し内容を膨らませても良いと感じる。現代では、「スマートシティ」という言葉があるように、アバターが仮想空間で買い物をしたり、講座に参加したりする。公民館も将来的には、「スマート公民館」のような場所にしていく必要もある。ICTを推進すれば、引きこもりや、介護で忙しい方でも、行政のサービスを気軽に利用できるようになる。ただ、デジタル化に注力しつつも、人間の根幹には「誰かとつながっていたい」という気持ちがあるので、アナログの部分も残していく必要がある。

事務局:5ページのICTの推進に関わる部分については、もう少し肉付けを行うこととする。

委 員:たとえば、公園でゲームをしている子どもたちを公民館に集めるためには、大きなスクリーンを提供して、ゲーム大会を開催するといった工夫が必要である。高齢者も同じことで、昔は将棋や囲碁、メンコ遊びが、カードゲームやテレビゲームに入れ替わっただけである。「友達同士で集まって、一緒に楽しみたい」という根本的な部分は、今も昔も変わらない。

委 員:先日、小学生が自分たちで調べた「多摩川の良いところ、怖いところ」を用紙にまとめて、それを活き活きと駅前で配っていた。あのような子どもたちが来られる場所に公民館がなって欲しいと感じた。また、その小学生たちと少し話しただけで、我々大人たちが「会えて良かった」と元気をもらえるような感覚となった。「公民館」という名前が覚えにくいのも、認知度が低い原因と考える。改修後の市民センターに名前を付ける際は、一目見て「楽しい場所」と分かるような名前にする等の工夫があると良い。

委員長:確かに、公民館には「これ」といった実態がない印象がある。「図書館なら本がある」、「美術館なら絵が飾ってある」「博物館なら展示物がる」といった形で分かりやすいが、公民館にはそれがないため、伝わりにくい。

委 員:先ほど小学生の多摩川の話があったが、そういったものを発表する場として公民館を利用してもらうのも一つの方法である。

委 員:若い世代に限らず、我々の生活様式そのものが変わってきている。たとえばお金もキャッシュレス化し、電子マネーが普及してきた。固定電話も少なくなり、今はスマホが一人一台という時代である。社会全体が「スマートシティ」に移行してきている。こういった時代の変化に遅れを取らないように、公民館の基本的な役割である「つどう・まなぶ・むすぶ」についても、デジタル化された「つどう・まなぶ・むすぶ」に移行させていき、現代版の公民館に変化させていく必要がある。同じ「つどう・まなぶ・むすぶ」でも、中身は全く異なり、それを公民館として理解していないと、利用者を確保していくのはより厳しくなることが予想される。また、市役所や公民館、図書館等の公共施設が、すべて連携しながら、市民の生活と結び付く必要がある。北欧では、すでに一つの場所に行けば、すべての手続きがワンストップでできるようになっている。同じように、公民館だけでなく、行政全体で変わる意識を持つことが大切である。

委員長:「スマートシティ」という言葉は、審議会が最終的に求める姿をよく表していると思うので、答申書5ページの「ICTにより、新たな「まなぶ」「つどう」を創出する。」の文章にも追加していただきたい。

事務局:了解した。

委 員:田園調布学園大学の学生と公民館事業を検討する際に、「多摩川での釣り」や「映画祭」といった案が出された。これらの案は、漁業権の問題や映画選定の基準等の理由から断念することとなったが、こういった導入や運用基準についても、もっと現代的なものに沿うようにする必要があると感じた。

委 員:市民が持つ公共施設に対するイメージは、あまり区別がない。公民館の既成概念も、ある程度崩していかないといけないと感じた。子どもは楽しい場所に集まる。昨年6月に開催された「ぽかぽか広場オープニングイベント」に、狛江高校の筝曲部やダンス部が出演していたが、多くの若い方々が嬉々として集まっていた。「楽しい場所に集まってくる」というのは子どもも大人も一緒で、共通事項である。取っつきにくいものではなく、皆が楽しめる柔軟で弾力的な事業を提供する必要があると感じた。

委 員:「公民館は楽しい場所だよ」と子どもたちにいかに伝えるかが重要である。今の子どもたちが楽しいと感じるのは、デジタル化されたものがほとんどである。様々な文化において、デジタル化とアナログ化の2極化で進んでおり、時代の変化を強く感じているところである。

委 員:市民センター改修のワークショップで出された意見を踏まえると、公民館に対する高齢者からの需要は、まだまだ高いことが分かる。ただ、若者たちを呼び込むためには、ICTの活用についてもっと取り組む必要がある。デジタル化とアナログ化の同時並行でやっていく柔軟さが必要である。

委員長:確かにデジタル化は進んだが、根本的な部分は変わらない。「写真を撮る」、「お金を支払う」といった行為がデジタル化により簡略化されただけである。公民館の根本的な役割を守りながらも、ICTの推進についても同時に行うことが大切である。

事務局:各委員からいただいた意見については、反映させた答申書を後日送付するので、届き次第確認いただければと思う。

委員長:それでは、本日の審議会はこれをもって終了とする。第9回審議会は、令和5年3月14日(火)午後6時30分から第4会議室にて開催する。