2024年12月
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令和元年8月1日(木曜日)午前10時30分から11時30分まで
猪方小川塚古墳保存整備用地・現地
委員長:谷川章雄
副委員長:池上悟
委員: 松井敏也
事務局:白鳥幹明、宇佐美哲也、松下祐三(社会教育課)
その他:フレームデザイン(株)(保存整備工事実施設計受託者)、新成田総合社(保存処理施工者)
なし
1.前回の委員会以降の工事進捗状況について
2.今後の工程について
3.その他
・委員長が開会を宣言。
・事務局から、4月25日に開催した前回の検討委員会以降の工事の進捗状況について報告しました。
・前回の委員会時点では、墳丘外周の浸透管の埋設工事と保存処理施工用の仮設覆屋の設置が完了した状態を確認していただきました。その後、4月下旬から5月上旬にかけて、仮設覆屋の内部で石室の石材の除湿・乾燥作業を進めました。
・石室石材の乾燥が進んだ5月10日からは、まず石室床面のクリーニング作業を行い、5月22日にかけて、石室床面の礫の間に露出している土壌の固化処理を進めました。
・5月27日からは、石室壁面の除湿とクリーニング作業に着手し、壁面の乾燥状況を確認しながら、壁面上段の石材から順次薬剤の噴霧及び塗布を進め、6月7日までに前室部分を除く玄室奥壁から玄門部分までの処理を終えました。なお、薬剤の定着・安定までには、噴霧・塗布から2週間程度とされており、その後、石材表面の固化状況は安定しています。
・その後、6月19日には保存処理用の仮設覆屋を解体し、6月25日からは、石室覆屋の建方工事に着手しました。6月末から7月にかけては雨天が続き、工事がやや遅れていますが、現在、屋根表面の仕上げが終わり、覆屋の柱・梁とそこから延びる石室壁面の保持材の塗装を進めている状況であることを説明しました。
・事務局から、今後の工程について説明しました。8月第1週に鉄骨の塗装を終了させたうえで、2週目からは、残された墳丘に遮水・耐根シートを敷設したうえで、墳丘の盛土復元工事を進めます。また、これと併行して、石室壁面の薬剤の追加処理、前室部分の薬剤塗布、石室外周の盛土と土壌の固化処理を進めていきます。
・また、覆屋については、壁面のルーバーの設置、観察用強化ガラスの設置を進め、覆屋の完成状況に近づいた状態で、石室壁面の目地や欠損部分の補充作業を行い、8月末までに保存整備工事は終了する予定です。
・墳丘及び石室の保存整備工事終了後は、引き続き、手前側の公園整備工事に着手する予定であることを報告しました。
・委員からは、公園完成後の水処理について質問が出され、事務局からは、石室覆屋の屋根に降る雨水については、覆屋の外周に設ける雨水落としで受けて、石室手前の雨水升へ集め、墳丘上に降る雨水とともに、公園手前側へ排出する設計であること、また、遺存する墳丘上には、遮水シートを敷設したうえで墳丘の盛土復元を行うため、墳丘は遮水シートと浸透管に挟まれる形となり、土壌中の水分が石室へ影響を及ぼす可能性は低い設計となっていることを説明しました。
・委員からは、観察用強化ガラスや屋根材、壁面のルーバー材の耐久性について質問が出され、事務局からは、概ね30年程度の耐久性を確認していることを報告しました。さらに、メンテナス用の出入口について質問があり、設計では覆屋の西壁手前に設置する予定であること、扉状の施設ではなく、壁面の一部を取り外す形で設計していることを説明しました。
次回の検討委員会については、保存整備工事が終了し、公園の全体像が確認できる段階を目途として、具体的な日時については工事の進捗状況をみながら、今後調整していくこととなりました。
・議長、閉会を宣言。
委員長
谷川章雄(早稲田大学教授・狛江市文化財専門委員、考古学)
副委員長
池上悟(立正大学教授、考古学)
委員
松井敏也(筑波大学教授、保存科学)
公募市民委員がいない理由
審議内容が、石室石材の保存処理、古墳の整備等に関する極めて専門的な知識が求められることから、専門各分野の学識経験者で構成しているため。